今日はベニ先生が今度の国際的なビッグプロジェクトのお仕事で共演する、重要無形文化財「能楽」保持者の津村 禮次郎先生の能クラスを受講してきました。
今回は「羽衣」と言う演目を題材に、物語の内容、見どころを教えて頂きました。
クラスはまず初めに能とは何か?能の歴史や流派などを座学で学び、その後は”謡”と呼ばれる歌の部分のレッスン。
資料は2種類、1枚目には歌詞と音の高さが記されたもの、2枚目にはリズムが記してあり、右手に持った扇子で膝を叩いてリズムをとりながら、歌います。「羽衣」と言う演目に出てくる天女が月に戻るシーンを表した謡だったのですが、音の高低、速さでその情景を表したりしていることを習いました。
うまく歌うのはなかなか難しく、一方、先生のお手本はとても素晴らしく思わず大きな拍手が沸き起こるくらいでした。
その謡の間には掛け声などがあり、私たちが謡を練習している際に先生がかけてくれる能の掛け声がフラメンコのハレオに似ていて、それを入れてくれることで盛り上がったり、表現の幅が広くなる感じがして興味深かかったです。そして最後は踊りの部分。扇子の持ち方から教えてくださり、まずは扇子の動き、その後は移動もつけて練習しました。フラメンコに比べたら単純な動きのはずが、なかなか津村先生のようにはなりません。
歩く時のすり足から難しく、顔の向きや扇子の動き、向きを変える際の足の動きなど細かいことも教えて頂きいました。最後に津村先生が舞台で使っていらっしゃる能面を実際に見せて触らせてくださいました。質疑応答の時間にはたくさんの質問が飛び交い、そのひとつひとつに熱意を持って答えてくださる津村先生。中でも心を打たれたのは、能のお面は無表情ではあるけれども、角度やその時の心で何を感じているかによって見え方が違ってくるということ。
まるで心を映し出す鏡のようなものなんだと言う言葉でした。最後の津村先生の謡と舞は本当に素晴らしく、参加者一同の大きな拍手でクラスが終了。
今回のクラスを通して、ベニ先生の感性も刺激され、益々創作意欲が湧いた1日でした。